PlanningFlow 4。
出荷して一ヶ月以上になりますが、どうでした?
良いと言ってくれる声が多いのですが、「話が違うじゃないか」 という声もあるかなあと思います(そういう声もあって欲しいというか)。 構想したのは、おととしの秋なのですが、その頃、ホームページにこんなことを書いています。

今年はOLE対応など、基準クリア型の作業が多かったのですが、基礎工事も終わったことですし、 これからしばらく、オリジナル追求型の作業に、舵を戻します。 次は 4.0。 90年代後半のビジネスチャートソフトの停滞を、吹き飛ばすような作品にしたいです。

けれども、できあがった Pf4 は、てんで違う性格になりました。 当初予定しなかったフローチャートソフトとしての常識的な部分の作り込みがずいぶんなされて、 製品としてはバランス良く仕上がっていると思います。
でも、最初に考えていた ”意匠” はほとんど入れていません。 開発の途中で方向性はガラリと転換。基礎体力部分を重視する作りこみになりました。 「話が違う」 の声もあるかな、というのは、そういうことです。今回は、その辺の経緯を書いてみます。

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Pf4 の具体的なスケジュールを立てたのは、おととしの11月で、上記の性格のものを、夏か秋には出そうと思っていました。 で、スケジュールを組んで、確かその晩か翌日だったのですが、ユーザーさんから障害報告が来ます。

 「 TreeMemoのメモ側が Windows2000β3で、まるで動きがおかしい」

β3で動かないということは、本物の Windows2000 で動かないということです。すぐ対応しなければ。 Pf3 にも少し障害が出て、二月までは Windows2000 対応の作業となってしまいました。いきなりスケジュールは大狂いです。

仕切り直しで Pf4 の開発が始まって、最初にやったのは、画像データ (拡張メタファイル) の対応と、OLEコンテナ化でしたが、 どちらも以前の蓄積が効いたというか、技術開拓なのに進みがいい。 次に、絵のパレットを Pf とは別プログラムとして作って、こちらも順調そのもの。
当初の予定では、そのあと、まだ誰もやってない意匠をあれこれと入れて、 ”フローソフトの意匠の見本市” みたいなものを作って終わるつもりでした。

難所と踏んでいた作業が前倒しに終わると、人間、道草をはじめます。 最初のキッカケは道草じゃなくて、絵のパレット を作るにあたって、他のフローソフトがディテールをどう処理しているか、見聞したのです。
絵のパレットの正体は、どのソフトでもファイルです。でも、ファイルとして見せているものと、隠しているものがある。どっちがいいか。 また、パレットのジャンル分けとか、パレット一つあたりの絵の数とか。 参考にするために、日本で売られているフローソフトはひと通り見ました。
となると、海外のフローソフトも見たくなる。特に、フローソフトの情報発信地の北米。 そこで、試しに調査班に頼んでみたのです。

調査班は、去年の年明けくらいからあるのですが、なかなか機能してます。 実は、たまたま知り合ったコンピュータ初心者のグループです。 皆さん、覚えようって気持ちがあったんですね。友達同士でメールして、ホームページを紹介し合って、上達が早い。
まあ、それだけなら調査を任せるなんて話にはならないのですが、みんな大人でしっかりしていたし、 もともと調べることが上手い人たちでした。 パソコンやネットに慣れさえすれば、あとは何も問題ない。
あと、一味違ったのは、なぜか海外在住の経験者や、向こうに今も住んでいる友達が多かった。 indysoft も去年あたりから、海外の決済手段、教育、フロー事情、なんてのをちょろちょろ調べ始めていて、 頼んでみたら、よく調べてくれるのです。 (アメリカの学校や郵便局の話なんか、なかなか傑作ですよ)

フローソフトは、5年ほど前に、カタログを取り寄せたり、雑誌の付録のデモ版を集めたりして、集中的に調べたことがあります。 インターネットはあったけど、まだ使い物になりませんでした。ソフトメーカーのホームページが揃っていなかったから。 だから、カタログを見るだけで終わったものもあるし、調べたのは日本の店頭で売っているソフトだけでした。
今回は、インターネットでメーカーのホームページは見れるわ。デモ版はほぼすべて手に入るわ。 ぜんぜん調査の濃さが違いました。便利になったものです。

国産の本格的なフローソフトは数えるほどで、それも Visio そっくりだったりします。 (おまけに、そのソフトを作る前に長いこと Visio の販売代理店をやってたりするから、ますます説得力がないのですが)
のどかな風景です。
でも北米はというと動きがあるんですね。
一年前というと、ちょうど Visio が Microsoft に買い取られた頃ですが、 「あれだけ Office に擦り寄ってたんだから、それもいいか」 くらいに見ていたんですけど、 調査報告を見ていると、それがそうでもない。

Micrografx が、純粋グラフィックスからビジネスグラフィックスへのシフトを構想していたり、 統計解析の SPSS が、IBM と提携したり、 ”ビジネスグラフィックスシステム” とでも呼ぶべきイメージに向けて、 有力なビジネスグラフィックスソフトのメーカーを中心とした動きが起き始めている、とも取れました。
まあ、本当のところ、どれほどの関連があるかはわからない。それ以上調べることもしなかった。 その動きが Office や Notes にどれほどの影響があるかもわからない。 でも、なんかこう、本場だなあっていうか。感じましたね。

その印象は、何も大メーカーの動きだけから感じるものじゃないです。 ネットだけで販売しているソフトでも、たいていの銘柄は聞いたことがあったのですが、それでも幾つか初耳の名前があった。 そんな中にも、「私たちは17年間、フローソフトを作り続けている」 なんてホームページに書いていたりするんです。厚いですよね。
17年前っていったら、僕はまだ文学部の学生。 フローチャートもコンピュータも見たことがなかった。 去年の時点で 17年前だから、2000 - 17 = 1983。Mac は生まれていたっけ?  年代的には、エンジニアリングワークステーションのソフトだったのだろうと思います。

フローソフトには、70~80年代のソフト開発工学を背景に発展した CASEツール (CASE = Computer Aided Software Engineering) の流れと、より汎用的な用途に対し、ビジネス文書をビジュアルにすることで伝達力や説得力の向上を狙ったビジネスグラフィックスソフトの、 二つの流れがあると思います。
ビジネスグラフィックスがパソコンソフトでわぁーっと出てきたのは 90年代前半ですが、その前は XEROX の J-Star あたりが先達でしょうか。 多くは北米産のソフトが綴ってきた歴史ですが、その歴史を記した本とか資料とかあったら、読みたいなあ。 自分で調べて書いてみたい気もしますが、indysoft やってる限り、そんな暇あるわけないし。誰かまとめてくれないかな。
その中に PlanningFlow のことが書かれたら最高ですね。「変わり者の日本人が、言葉から考えて作図していく操作性を考えた」 とか(笑)。 製品としてはまだまだですが、そういう部分では評価されていいと思います。フローソフトの歴史には顔を出せるソフトだと思いますね。

さて、楽しい調査のあと、Pf4 の舵取りについて、思うところがありました。
一つは、本場をナメちゃいかん、ということ。
見たこともない意匠をどれほど詰めこんでも、前面背面処理や、図形のグループ化といった常識的な機能すら備わっていなかったら、 ただのキワモノとしか見られない。

向こうなら、意匠は意匠として評価してくれそうな気はします。
でも、やっぱり日々使う道具として基準を満たしたうえで、意匠に満ちている方がいい。
いい、というか、安全だと感じたのです。 せっかく出して、つまらないところでミソつけられて終わるのは、避けなければならない。

それと、これは調査には関係なく考えていたことですが、 コンセプト提示、プロトタイプ提示で協力者を集め、製品に仕上げていく、という開発方法論が、 果たして現実に成り立つのか、という疑問がありました。

個人や小さなチームのほうが、コンセプトやプロトタイプを形にするのは、上手いし、速い。
ソフトは工業製品である反面、工芸品でもあるから、工芸品的部分の追求は、ツーカーの小人数でやるほうがいい。
でも、製品を仕上げるには小人数では絶対的に手が足りない。人手を増やすには資力も要る。
だから、個人や小さなチームが突破し、プロトタイプ や バージョン1 という ”動く青写真” をもって、 集団や企業にバトンタッチしていく。

いやあ、理に叶ってますねえ(笑)
indysoft の考え方は最初からこうで、今でもこれは、ソフト作りの理想だと思っています。
でも、現実はどうか。
提携求む をホームページに掲げた時間は長かったし、多くの引き合いがあったけれど、結果は全滅に終わってる。 他のジャンルについてはわからないが、自分たちのジャンルでは、そんなことは起きないんじゃないか。 絶対とは言わないけれど、この先もたぶん高い確率で、無い。 となると、プロトタイプ提示という方針そのものが考え物だなあと。

プロトタイプ提示の作戦を諦めるとなれば、意匠を慌てて盛り込む必要はなくなります。 むしろ手の内は明かさないほうがいい。
どんなに製造能力に差があっても、意匠でぶっちぎれば、最低半年から一年はアドバンテージがある。 作家性が高ければなおさら。相手は混乱して、意見がまとまらない。
ならば、種明かしは一度きり。
意匠を盛るときも一気。発表するのも一気。
職人の手で磨かれた工芸品が、一切の大量生産プロセス ・ 流通プロセスを経ずに、世界中のユーザーの手に届けられるのが、 ネット時代のソフトの素晴らしさでしょう。 それで行こうと。

Pf4 は 180°転舵。
”基礎体力部分での差を詰める”
がテーマになりました。

話は戻りますが、調査で得たもう一つは、対抗できる部分が見つかったことです。 10年来、コンセプトしか対抗できるものはないと思ってきました。
技術、体制、資金、文化、ぜんぶ負け。
コンセプトなら勝てるけど、コンセプトは真似されればそれまで。長続きはしない。 スポーツでもそうでしょう。身体能力や基本技術で負けている者が勝つ有力な手段は、戦術と奇策です。 でも、戦術や奇策は覚えられればそれまで。 長い勝負になれば勝ち目はない。

コンセプトの能力というのは、勘定に入れてもしょうがない気がして、比較しないことにしています。 対抗できるなと思えたのは、デザインです。 気負って言うのじゃなく、自然にそう感じました。
「雑だな」 と感じることが多かったのです。

 このソフト、コンセプトはいいな。作り込みの量もなかなか。技術も凄い。でも、俺だったら操作性もっと詰めるな。
 この作業を ”わかってる” デザイナーがいれば、もっと良くなるのに。もったいないな。
 この部分を強引に自動化すると、ユーザーが自動処理を意識して慎重に作業してしまう。気づいているのかな?

そんなことを感じることが何度もありました。 なんて言うか、全般に ”工業製品” の感じが強い。
良く言えば、標準化が徹底している。
悪く言えば、十把ひとからげのワンパターン。
操作のリズムも、いつもワンツースリー、ワンツースリーで同じ。

ワンパターンだから、わかりやすいと言えばわかりやすい。確かに、大はずし はない。ただ、それ以上でもない。 コンセプトではチャレンジしてるものもあるし、プログラマーは優秀にして勤勉。 でも、デザイナーはあまりチャレンジしてないような印象を受けます。
いいデザイナーがいないのか、開発チーム内でのデザイナーの地位が低いのか。 それとも、標準化こそが ”絶対善” なのか。 理由はわかりませんが。

デザインを支えるものは、ソフトが対象とする作業への造詣の深さや、皮膚感覚の細やかさだと思います。
造詣や皮膚感覚は身体能力です。
まぐれは効かないし、一朝一夕では鍛えられない。
だから、少しだけ気が楽になりました。

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Pf4 の自己評価ですが、使っていて思うのは、「便利だな」 と 「普通だな」。
今までの indysoft のソフトはというと、

 ・ツリーとメモの間に境界はない。
   両者の間をマウスで自在に文字を移動できる。 TreeMemo1

 ・人はフローを描くとき、実は最初に言葉を考えてる。
   言葉をドラドロしてフローを作ろう。 PlanningFlow2

 ・ワープロのように高速自在にツリーを打つ。
   フォントもページレイアウトも高速思考には不要。 TreeMemo4

 ・お待たせしました! プログラムフローに対応。
   でも図形は □ と ◇ だけ。線は自動的に描いちゃいます。 PlanningFow3

まあ、何て言いいますか...
新鮮だし、意外だし。コンセプトとメッセージには満ちているんですが。 好き勝手にやってきたなあ、と思います。定番ソフトを模して作ったことがない。
オンラインソフトは 痒いところに手が届く小品 だって、何かに書いてありましたが、 そんな ”オンラインソフト像” とは、似ても似つかぬ作風です。

背景に、コンセプト提示 ~ 提携して製品熟成 という考えがあったわけで、それを理解してもらえれば、 マトモで真剣だとわかってもらえるとは思いますが。 今回は意匠より地道な作り込みを優先した甲斐あって、(こんなことを言っていいのかどうか) 初めて、人が望んでいた物を作った、気がしますね(笑)

その意味では、アンドゥ (元に戻す処理) がないのは画竜点睛を欠きました。 キャッチアップがテーマであったなら、アンドゥは欠かせません。最優先課題ですね。

それともう一つ、今、最優先課題に挙げているのは、「線」 の整理です。 Pf4 で、独立した線、カミナリ線、引き出し線、と追加したのですが、熟成が足りなかったというか、 操作とかが少しばらばらになってしまいました。
また、「順序」 の線を他の図形より先に描いているため、こんなことが起きてしまいます。 まずいです。

線が図形に隠れる

Pf3 までは、図形が折り重なるような凝ったフローは描けなかったと思います。 描かれるフローは、図形が点在していて、その間を 「順序」 が結ぶような絵、だけだったでしょう。
つまり、図形と 「順序」 の間に、主役/脇役 の関係がはっきりあった。 その中では、先に 「順序」 を描いて、後から図形を描くと、「順序」 と交わる位置の図形が必ず 「順序」 より前に描かれるなど、 メリットもあったのです。

図形が前だと綺麗に見えることもある その1

図形が前だと綺麗に見えることもある その2

Pf3 までは、グラフィックスというより、エディタって感じでしょう? フローエディタ。 その名残りが残ってしまいました。
この点は、本当は 4.0 で直したかったのですが、出荷前、周辺作業に予想以上に時間がかかってしまい、タイムアップでした。

フローで一番重要な図形は何か? と言ったら、「線」 だと思います。
「線」 をどう多彩にし、かつ自然で統一された操作性で作図できるか。変化させられるか。 フローソフトのポイントだと思います。
今のところ、これだ! という動きのソフトは見当たりません。 ブロック矢印とかも含めて、納得の行く形に整理したいです。

意匠を控えたと言っても、こんな調子で、何か機能を追加する際、どんなのがいいだろう、どうあるべきだろうと、 ついつい考えてしまいます。 Pf4 にも、引き出し線とか、[パレットを隠す] とか。 出来あがってみれば、意匠のスパイスは効いてるな、と思います。 作者として Pf4 をまとめると、

 フローソフトの基礎体力部分について、indysoft なりの考えを示した作品

て感じでしょうか。(なんかカッコいいぞ。気に入った! )

Pf の実力ですが、もし、アンドゥ/リドゥ が備わっていて、基本的な平面図形・立体図形がもう少し用意されていたら、 もう導入効果において、北米産の中堅どころは超えていると感じます。 お絵描きを重視した使われ方だと、Pf の性格上厳しいですが、ビジネスコミュニケーションを目的として考えたなら、 そこまでは来ていると思います。 (何事もそつなくこなし、業務特化もしている Visio というソフトは、やはり一目置きますが。 特にあのソフトは、ユーザーとして見るよりも、作り手として見たとき凄い。その辺のことは、いつか書きましょう。)

ただ、Pf が使い物になればなるほど、限界を感じてきているのも確かです。 それは Pf にではなく、フローチャートというものに感じる限界です。 この先、Pf が完成形となっても、Visio がどんなに強力になっても、この壁は残るでしょう。 バージョンアップのアンケートを見ていたら、ユーザーさんの中にもこの感覚を感じ始めている方がいました。 そろそろ三作目の開発を再開したいと、真剣に思います。

数年前、チームは経済危機に陥って、あれがなければ三作目はとっくに出来ていました。
ただ、そのタイミングで出しても、広くは理解されかったと思います。 Office という、そつがなく強力なソフトがあり、OA化と社内データの共有という掛け声に乗って、社会の隅々まで浸透した。 まずパソコンを使うこと。みんなで使うこと。それが大事だった。 数年前といったら、ちょうどそれが一段落した頃です。
ようやくOA化とデータ共有を果たしてホッとしたところに、別の考え方を持って行っても、拒絶反応されるのは当たり前。 やるとしたら、その遥か前か。 でなけりゃ、Office の感性に物足らないと感じる人が増えてきたとき。
まあ、そんなのは、あと 3~4年は絶対に来ないと思うし、結局来ないかも知れない。 どっちにしても慌てることはないので、てくてくやって行きます。

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これからの課題の一つは、”協業” です。
indysoft がプロトタイプを作って、企業にバトンタッチしていくというビジネスモデルは、すっぱり諦めましたが、 僕らがソフトを育てていく中で、不得意な部分については、人様の協力をお願いしよう、ということです。

indysoft の開発班のメンバーは、全員、企業システムの出身です(今も、生業に出るときは企業システムです)。 だから、効率的な作業スタイルを考え、そこで使う道具を作り、その導入効果を計り、なんて仕事は得意です。 ビジネスソフトの骨格や操作性、内部構造といった、コア部分を作るうえでは、これは凄いメリットで、 チームの持ち味だと思います。
ただ、例えばグラフィックデータの扱いなどには弱い。 仕事でやんないですから。

また、現実問題として、ここのところの不況で、生業がどんどん忙しくなり、サポートメンバーが集まれなくなっています。 身の回りを見る限り、システムの要 (かなめ) の人間は、景気が良かった頃より忙しくなってるのではないでしょうか。
受注費が削られて、部下をつけてもらえなかったり、一人あたりの仕事量が増えたり、そういうことが起きている気がします。 もともと得意でない分野で、まとまった時間も取れないとなると、これは効率悪いです。

コア部分の仕事が少ないなら問題ないのですが、この先も目白押しです。 その部分は、indysoft がやらないと誰もやらないだろうと思えるので、そこに集中しようと思います。
絵のパレットを充実させることも大切ですし、フローのホームページ書き出しなんかは要望も多く、ぜひ実現したい。 でも、そういったアウトサイドの作業のために、ソフトの骨格の歩みを止めたのでは、本末転倒です。
というわけで、協力者を募集します。今のところ限りなく手弁当に近いですが、興味のある方はご連絡ください。

具体的には、png (ピング) 形式のデータ書き出しのできる方 (できれば HTML のクリッカブルマップの書き出しもできる方)。 募集します。
フローのホームページ書き出しは、メジャーなフローソフトの間では 98年のトレンドで、その頃一度考えたのですが、 gif を書き出すと、米 Unisys 社の特許に触れるとかで、やめた経緯があります。 その後、オープンな png という形式が出てきたので、これを使って実現したいな、と。 ( jpg でもいいのですが、どうも少し ”汚れ” が入る印象があって。幾何学図形が多いフローではどうかなと。)

それと、絵のパレット のうち、プログラムで描く線画。これを作ってみたい方、いませんか?  日本地図 (各県の地図) あたりから始めたいです。
NHKの天気予報に出てくる割と正確な地図 と、民放の天気予報に出てくる思い切り簡略化された地図 で揃えたいですね。 直線の連続で描けると思うので、プログラミングとしてはそれほど難しくありません。学生さんとか挑戦して欲しいです。

また、スペルチェック機能をいずれ用意したい。どんなやり方がいいのか。とりあえずコーチしてくれる方を募集します。
あと、太い点線を綺麗に描くワザをお持ちの方、いらっしゃいましたらご連絡ください。

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Pf4 の開発過程で、手に入れたものって何があるだろう...

”似て非なる すべての Windows ( Me, 2000, 98, 95, NT4 ) 対応のサポート体制”
マシン環境はばっちり。ディスクカートリッジでOSドライブを物理的に切り替えてテストしています。 でも、ユーザーサポートとしては、まだまだかな。 担当は持ち回りだし、こないだ デュアルモニター環境 (1台のパソコンに、2つモニターをつなげる) で出る障害について、 まるで答えられなかった。
サポートも年々高度になっています。そういう質問に答えていくには、専任で追求する者がいないと無理だと感じました。 ちょっとショックでした。
ネット販売ソフトのユーザーサポートに要求される守備範囲は広いです。 ソフトの操作の質問やバグの指摘だけでなく、パソコンやネット販売の一般的な質問、環境的障害の指摘、 時には、開発思想を語る必要もある。 狭い範囲のQ&Aだけ訓練された、大メーカーのサポートセンターのような人材では、おそらくこなせない。 ユーザーサポートも、”極めれば道” です。

”作ったら自分たちで使い、慌てて出荷しない もの作りのリズム”
これは作れました。大切なことです。今まではこれができなかった。
目に見えた失敗は Pf3 のプログラムフローの自動線画です。 『はじめマニュアル ver.3編』 で予告している通り、もっといい描き方があったのですが、 資金的事情でタイムアップ。出荷してしまいました。
そうしたら印刷やオブジェクト貼り付けの要望が殺到。それらを優先して。Pf4 も意匠を控える方針になって。 結果、丸二年経ってもまだやってません。 なんてこった。

”伸縮自在なチームのフォーメーションと、そのための構造”
資金がないときは、しゅ~~んと縮んで、私一人になる。資金があれば、しゅわわっと伸びて機能を分担する。 これができたら、チームとしては一番しぶといとわけです。
まず前提として、デザイナー兼プログラマー が中心にいないと、不可能なフォーメーションなわけですが、 これがスムーズにできるためには、チームの機能分析・機能分割や、ソースコードが、それに備えた構造になっている必要があります。 それらが、けっこういい線まで、出来てきたように思います。

いつも課題ばっかり気になりますけど、こうして振り返ってみると、少しはマシになってんのかな。

indysoft.jp 主宰
びーどろ