永らくお待たせしてすいません。 全機能テストに入って以降、今度は TreeMemo のデータ量との格闘になってしまいました。

TreeMemo 5 は、メモウィンドウに画像やオブジェクトを貼ることができます。 なかなか便利なのですが、問題はあの形状です (多数のメモを1つのファイルにまとめる)。 例えて言えば、何十何百というワープロの文書が1つのファイルに収納される可能性もあるわけで、 調子に乗って写真や画面コピーを貼り付けていると、ファイルサイズがとんでもなく大きくなってしまうのです。

開発にあたっては、テストがひと通り済んだら、チーム内でリリースして使う、という進め方をしてきました。 当初、メンバーには 「画像を貼れるようにしたけれど、形状から来るデータ量の問題があるから、画像の使用は控え目にね」 と推奨していたのですが、無理だったようです。 解禁となったら、皆、画像を使うこと使うこと。 途端にファイルは巨大になり、データサイズに比例して、レスポンスは悪くなるわ、メモリは圧迫するわ。

とにかくファイルサイズを抑え、メモリ負荷を抑え、巨大ファイル下でのレスポンスを向上しない限り、世間様には出せない。 ユーザーさんの手元で、初めは小さく軽快だったものが、長く使ううちにデカくて手に負えなくなったのでは、まるで猛獣の子供をペットとして売るようなもの。 おかげでメモのデータ設計は二転三転。 どうにか工夫してデータ量を減らし、チーム内のほとんどの PC で動くようになって喜んでいたら、XP 時代のノート PC を使うメンバーから 「ファイルが大きくなったら、訳が分からない現象が起きる」 と指摘が出て、振り出しに戻る...  そんなことの繰り返しでした。

最新の設計で (たぶん take4 くらい)、なんとか落ち着いてきました。 ファイルサイズ、メモリ負荷は削れる限り削っています (これでダメなら画像を諦めるしかない、というところまで)。 もうしばらくチーム内で使い、非力な機種でも問題が出ないことを確認します。

ちなみにファイルサイズについては、巨大化の問題があるのは、バイナリ形式だけです。 XML 形式の保存では、個々の画像・オブジェクトは独立したファイルとして保存されるため、巨大ファイルの問題は出ません。

 

Windows8 での動作ですが、8 のβ版でざっとテストしたところ、動きました。 ユーザーインターフェースは革新的と話題ですが、内部の設計はほとんど変わっていない印象です。 TreeMemo も PlanningFlow も、アプリ自体の動作は大丈夫でしょう。

ただ、プロトコル関係は安心できません。 近年の Microsoft 製品は、DDE (エクスプローラでファイルをダブルクリックしてアプリを起動する)、OLE (異なるアプリ間でコピー&ペーストする)、MAPI (アプリから送信メールを作成する)、といった、 Windows の伝統的技術の部分で、けっこう、やらかしますから。 全機能テストを終えたら、正規版で厳しくテストするつもりです。

それにしても、Windows8 の内部設計の不動ぶり。 あれはどうなんでしょうね。 発想は MS-DOS や、Windows95 のまま。 無防備と言っていい。 ユーザーインターフェースの先進性と、内部設計の旧態依然ぶりのギャップが凄いです。 こんなんじゃセキュリティの状況は改善しないように感じます。 ノーテンキな OS の不備を一手に背負い込んで、セキュリティアプリは増々重くなり、検疫ファイルは大きくなり、update の通信量は多くなる。 光が見えないですね。